サンバイオの男(あるいはポジショントークとも)
倒れてから15年経ちましても機能的な障害は横這い状態ですが、ADL(Activity of Daily Living=日常生活能力的なもの…)については、まあお仕事ふくめ、
及第点のレベルまで回復していると思っています。
大昔は単なる肉塊状態でJR秋田駅で台車に椅子をのせて作った車いす的なもの(!)でタクシーまで運んでいただいた人間です。
相変わらずの「ぎっこんばっこん」の体ですが、そこからは随分と遠くにいけるように
なったったと自負しております。もちろん、多くの「おかげさま」…
ああいかん、ながくなる…略。
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端折って申しますと、私の活動は発症後1年のリハビリ入院で診ていただいた先生のお話を基本指針としています。
(1)「手はあきらめなさい」
・手の機能は足よりずっと複雑に構成されていて、回復はかなり難しい。
・回復しないわけではない。何年も後に手が開くようになったおばあちゃんを見たことがある。脳には回復力があるのだろうと思っている。ただ、どうすればいいのか、どれだけ時間がかかるかはわからない。
(2)「身体機能回復と社会復帰の折り合いを」
(手が開くようになった)おばあちゃんではないけど、身体機能をきちんと回復してから社会復帰を…なんて考えてずっと「良いリハビリ方法」を探し放浪し続ける人を「リハビリジプシー」なんていう人もいる。
僕はできるだけ早く社会復帰すること。それがリハビリというものだと思うよ…と
ソニーのCLIEをペチペチしながら仰っていたのを覚えています。
当時30歳の私には「左手をあきらめろ」という言葉はずしんと来まして、死ぬことを考えたり、一週間ほど抑うつ状態になったのを覚えています。
(※後日教科書を見たらこういうの「教科書通りの反応」のようで、苦笑いしたのでした。)ここら辺はいつか書きたいです。
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というわけで社会復帰を最優先にしてきたわたしですが、
慢性期をこれだけ経ても、「(麻痺側の)左手が動く夢」を見たり、
「すっと足が動く」夢を見たりと「機能回復」への想いを捨てることはできないのです。
メディアやネットで記事をチェックしてしまう。
ボトックス治療なんかやってみたいなあと思っているのですが、時間が…。
ああ、略。
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ようやっと本題です。
わたくし趣味でささやかな投資活動をしているのですが、「サンバイオ」という会社の株を保有しています。(ほんの小口ですけど)…ですので以下は持ち株についてのポジショントークとも言えます。結果に責任は持てません。推奨もディスりもしません。割り引いて読んでください。投資される方は自己判断で!
さて…サンバイオ社の公式サイトからひくと、
「脳梗塞や外傷性脳損傷など中枢神経系疾患を対象に再生細胞薬の開発・製造・販売を手掛けています。現在、慢性期の脳梗塞と外傷性脳損傷を対象に画期的な治療薬の実現を目指しています。」
…としています。脳疾患関係の治療薬ベンチャーですね。
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株価はマーケットの思惑で値が上下する「非合理的で正しいもの」なのですが、こういったバイオ関連ベンチャーは株価のぶれは「上場廃止もあるよ」レベルで大きいので、(※某M社で手痛い経験あり)基本ポートフォリオには入れない主義でした。
…とはいえサンバイオ、なぜか魅力的なんですよね。もしかしたら私の機能障害にも効く薬を作ってくれるのではないかなあ…と。
この社の株購入から二年近くたちますが、なぜいまさらご紹介したかというと、
先週、同社から実現性がうかがえる、大きなニュースが出たからです。
(ざっくりな言い方で恐縮ですが)同社の薬の効用について有意な試験結果が出た…というところでしょうか。詳しくは同社のリリースをご覧ください。
SB623外傷性脳損傷を対象にした第2相試験(STEMTRA試験)結果に関するお知らせ‐主要評価項目を達成‐
米国のカリフォルニア再生医療機構(CIRM)も公式ブログでこの成果を
「脳傷害を治療するための希望の兆候」(※中立配慮でグーグル翻訳です。)
として紹介していいます。
同社は脳梗塞慢性期やアルツハイマーの治療等、夢が広がる話をしています。
まあ、いち弱小の片麻痺投資家としてこの社を応援している。。というお話でした。
しつこいですが、売り買いをあおるつもりはありません。
投資は自己責任で…。
万が一、私の投稿を読んではじめて同社の株を買おうと思ったりした方は、
「アキュセラショック」あたりをあらかじめググっておいてくださいね…。